原子間力顕微鏡(AFM)のアサイラム リサーチ

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 新規バンド励起SPMテクノロジーで、オークリッジ国立研究所とアサイラム社が、
 「マイクロスコピー トゥデイ イノベーション賞」を受賞



2010年8月13日: 走査型プローブおよび原子間力顕微鏡の技術リーダーであるアサイラム社とオークリッジ国立研究所(ORNL)が、バンド励起(Band Excitation; BE)という、新規ブレイクスルー走査型プローブ顕微鏡(SPM)技術の開発で、栄ある「マイクロ トゥデイ イノベーション賞」を受賞しました。バンド励起により、ナノスケールレベルでこれまでよりも高速にエネルギー散逸を探ることが可能になり、科学者が標準のイメージング速度で、サンプルの電気的、磁気的、そして機械的なエネルギー変換と散逸特性の特徴づけをすることができます。

エネルギーの変換や散逸のマッピングのためのSPMの応用では、以前から、ほぼすべてのSPMの従来機に採用されている基本的な操作メカニズムに制約がありました。それは、一度にひとつの周波数でしか操作ができないというものです。しかしながらSPM探針と表面のダイナミックな相互作用―どの散逸が重要な要素なのか―を完全に捉えるために、この相互作用が数多くの周波数でどのように変化するのかを知る必要があります。BEは同時にたくさんの周波数において探針のダイナミクスを励起して応答を検出することにより、情報収集におけるブレイクスルーを達成しました―それは白黒とは対照的にカラーで見るような、あるいはひとつの音を聞く代わりに合唱を聞くようなものです―。BEでは、従来の正弦波を、連続したバンドの周波数を持つ合成デジタル信号で置き換え、同じ周波数のバンド内の応答をモニターします。そのために現在の商業技術に比べて、信号ノイズ比を劣化させることなく、データの収集時間で〜100倍改善させました。全ての応答スペクトルを、標準のSPMがひとつのピクセルを得るのに要する時間の中で収集することができます。BEはエレクトロニクスや情報技術、エネルギー保存、輸送などといった幅広いテクノロジーの中で、エネルギー散逸を理解するための重要なテクノロジーになるでしょう。

アサイラム社のロジャー・プロキシュ社長は次のように話しています。『私達はこの権威ある賞を受賞でき非常に喜んでおります。オークリッジ国立研究所との共同研究により、ピエゾフォースモジュールやスイッチングスペクトロスコピーPFMを含むSPMの分野で、新規の最先端技術開発に取り組んできました。バンド励起法はSPMにおけるデータ収集とプロセッシングの点では、基本的に新しい手法を提示しております。アサイラム社と我々の共同研究者たちは、今回の受賞によってこの新技術が認められたと理解し、これからも技術革新を持って業界をリードして参ります。』

オークリッジ国立研究所ナノフェーズ材料科学センター(CNMS)の研究者である、共同発明者のセルゲイ・カリニン博士は次のように述べています。『我々はバンド励起が新しいSPMファミリーの先駆けになると信じております。この手法は、有名なロックインベースの検出の代替手法を提供し、定量的かつアーチファクトのない散逸イメージングのための可能性を提供することにより、この分野に変革を起こすことができます。我々はアサイラム社とのパートナーシップを通して、BEの新しいアプリケーションを開発することを楽しみにしております。』

CNMSのもう一人の共同発明者であるステフェン・ジェッシー博士は次のように述べています。『この賞は、この技術が顕微鏡の分野において将来の方向性を示す重要な前進であることを認知したものです。アサイラム社の最新のSPMコントローラのスピードと自在性は、単なるイメージングから、情報豊富なカンチレバー-表面相互作用と材料の機能性を洞察する領域へと我々をいざなうのに必要な、ファインチューニングとデータストリームの高速収集を可能にしています。』


バンド励起はスキャンしながら全ての探針ダイナミックスをキャプチャーします。従って、あらゆる場所の伝達関数、すなわち‘カンチレバーのチューン’が見えます。この情報から、直接、散逸と非線形性のマップをとることができます。図はポリマーブレンドにおけるBEの音響フォース顕微鏡スキャン(15μm×15μm)を示しており、これからQファクターを抽出しました。異なる組成材料間で明白なコントラストが見て取れます。青と赤のドットのマップで指示されている領域の平均伝達関数もまた示されています。探針モーションをより詳細にキャプチャーできるために、材料特性のナノスケール測定を可能にしています。